語り騙られる控えめな「戦争」小説—『冥途あり』長野まゆみ

少年ふたりと犬一匹が夜の学校に忍び込み幻想的な体験をする『少年アリス 』で1988年に文藝賞を受賞し、デビューして27年。本人いわく〈地図でいうと別枠になっている島嶼部のような〉*1ところで執筆活動を続け、長らく文学賞と無縁だった長野まゆみが『冥途あり』で2015年の泉鏡花文学賞と野間文芸賞をW受賞した。 本作に…