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みほしブログ

趣味は生活と読書。

くずれおちそうなほどの体調不良の原因が精神的疲労だった件

6月半ばの土曜日、私は池袋にいた。なんだか体調が優れなくて飲み会を中座し、人のあいだを縫うように池袋の駅を歩いている最中、ぐらりと景色が揺れた。
(倒れる…!)
そう思ったけれど実際にはしゃがみこむだけで済んだ。数秒ほどうずくまって、ゆっくりと立ち上がる。どうしたんだろう、と思ったけどそのときちょうど生理中だったので貧血気味なのかなあと思ってやり過ごした。

でも生理が終わっても全然体調がよくならない。とにかくだるくて、もともと弱い朝が起きられない。リポビタンを流し込み無理やり元気な気分を盛り上げる。このころからときどき微熱が出るようになった。

病院に行かなきゃなあと思いつつ、咳も鼻水も出ず急性の症状がないもんだからぐずぐずしていた7月4日土曜日の夜中。体の芯が火にあぶられているように熱くて目が覚め、枕元の体温計をわきに突っ込む。

39.5℃

そのころは毎日37℃くらいの微熱があるのがふつうになっていたけれど、こんな高熱インフルエンザと溶連菌に感染したときしか見たことがない。苦しい。人生初の救急車行っちゃう?
熱で浮かされてぐるぐる考えながらいつの間にか眠ってしまって、朝。37℃まで下がっていて全く苦しくない。

あれー?なにかの風邪なのかな、とのんきに構えていたら日曜の夜中にもまた38℃代まで発熱。朝になるとまた微熱に戻っている。

2日連続の深夜の高熱、いくらなんでもこれはおかしいと月曜日、仕事を休ませてもらって内科へ。免疫系の病気、甲状腺の病気、もしくは癌!?悪い想像でどんよりしながら血液からわかるあらゆる検査を行うものの、腎臓肝臓甲状腺、その他の項目もすべて正常値。むしろ健康寄り。
唯一、白血球の数だけが正常値よりかなり減少し、なんらかの炎症を起こしていることは確かみたいだった。

1週間かけて医者が出した結論は「精神的疲労」だった。

え!??仕事も今ヒマな時期だし私生活も安定してるしお金の心配もないし、「転職や死別などなにかストレスになることは最近ありましたか?」って5回くらい聞かれたけど「(そりゃストレスはあるっちゃあるけどそんな別格のストレスは)ないです!」って速攻で答えられるくらいの私が精神的疲労!?だったら離婚とか司法試験落ちとかのときの方がよっぽど辛かったけどこんな症状出なかったんですけど?

というようなことを社会人として丁寧語にくるんで医師へ訊ねると「人によって疲労が出てくるのには時間差があって、今生活が落ち着いてホッとして疲れがでちゃったのかもね」とのこと。
「精神的疲労ってどうすればとれるんですか?」
「漢方薬出してあげるよ」
「漢方!?」

その病院は手術室もある中規模の個人病院だったんだけど、東洋医学も取り入れているそう。私は柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)と補中益気湯(ホチュウエッキトウ)という漢方を処方されました(保険適用有)。

こんなの効くのかなと思いながら薬剤師さんの助言通りお湯に溶かして飲んでみたところ、1回目から手足がぽかぽかするような感覚が。会社を休ませてもらってずっと寝ていたこともあり、1週間ほどで体調が回復。びっくりするほど体が楽になりました。

あとで精神的疲労について調べてみると、①夜より朝の方が疲労感が強い、②疲労感が1~2週間ほど続いている、③休んでも疲労感が抜けない、④微熱が続いている、など当てはまる点が多くてやっぱり精神的疲労だったんだなと納得。

そして精神的疲労はうつなどの神経症への入り口でもあるとのこと。
自分でも気づいていなかった疲労を回復できてよかったです。

(なんかこういう話聞いたことあるな…あれだ!)

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1)

31歳・独身・脚本家の女性が、ユニクロのパンツをはいたお尻をはみだして倒れているシーンから始まる中島たい子さんの『漢方小説』。
主人公みのりはいくつかの病院を渡り歩くものの不調の原因がわからず、漢方診療所にてようやく不調の場所を探り当ててくれる漢方医に出会い、漢方薬の力を借りて心身の不安定さに向き合っていくというまさに私の今の状況にどんぴしゃな小説なのです。

「最近なにかストレスを感じるようなことがありませんでしたか?」
 真顔で聞くようなことだろうか?と、私は思った。最近呼吸をしたかと聞いているに等しい。私が子供の頃はストレスなんて言葉はなかったけれど、オムツが濡れている時も、朝から弁当を持って幼稚園に行く時も、ストレスを感じない日など一日もなく今まで生きてきたと思う。逆に人間からストレスというものをうばったら、いったい何が残るのだろう?

ほんとそれね。久しぶりに読み返してみたけど漢方の入門書としても大変わかりやすいものとなっています。酒井順子さんの文庫版解説も30女の心に沁みます。

 最後になんとなく東洋医学をうさんくさく思っている方へ漢方小説から主人公の言葉を引用して締めます。

「例えばNBAで言うと、西洋医学の薬は、怪物みたいにデカいMVPプレーヤーがいる勝率の高いチーム。漢方薬は、アシスト、リバウンド、スリーポイントなんかがうまい、そこそこの選手が五人そろってるけどファイナルまでいけないチーム」

え、よくわからない?わかりやすいでしょ!

それではごきげんよう!

 

 

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1)

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1)